血管の老化を止めよう

血管の老化を進めない為には

塩分をとり過ぎると、体内のミネラルバランスが乱れ、余分な塩分を排出しようとする身体の生理機能が働き、血圧が高くなります。また余分な塩分は血管壁にも入り込み、血管を厚く硬くしてしまうようです。

この様な状態が続くと血管壁の内側にある内皮細胞が傷つきやすくなり、バリア機能が弱くなるため傷の隙間から血管壁に異物が入り込んできます。異物の代表は血液中に増えた悪玉のコレステロールです。血管壁に入り込んでしまったLDLコレステロールは活性酸素の攻撃を受けやすく、更に悪玉度を増した酸化LDLコレステロールになってしまいます。身体の免疫機能はそれを異物とみなし排除しようとし免疫機能を持った単球という物質が血液中から血管壁に入り、マクロファージという物質に変わって、酸化LDLコレステロールを食べて処理してくれます。満腹状態になったマクロファージは、泡沫細胞という泡状の細胞に変わり、血管内膜にコブのような隆起、アテロームプラークを作ります。これが太い動脈で起こる血管の老化であるアテローム硬化です。
更に糖質の過剰摂取による肥満と運動不足により血圧を上げ高脂血症を悪化させ動脈硬化の直接的なリスクの要因とされているようです。

一方で肥満によって細胞のエネルギー活性が悪くなり糖尿病のリスクを大きくしていくようです。糖尿病が怖いのは血液中の糖が小さな血管(及び神経)を痛めつけそれが心臓病や糖尿病性腎症のリスクを高めるからだそうです。ほかにも欠陥の老化(動脈硬化)を進行させる生活習慣として、喫煙,やストレスがあります。いずれも血管が収縮して血圧を上げたり、毛細血管の循環が悪くなり様々な悪影響をもたらすと言われています。

また歯周病は動脈硬化を発症させ悪化させるだけではなく糖尿病の直接的な原因にもなると言われています。
普段からの食生活や生活習慣を見直すことと口腔ケアも大切ですね。

 

血管の健康を大きく左右するのは内皮細胞

血管壁の最も内側にあり血液と接触する内皮細胞は血管のバリア的役割を果たす組織で、身体の表面を覆う皮膚と似た働きを持っているようです。内皮細胞のターンオーバー(新陳代謝)の周期は約1000日つまり約2年9か月だそうです。一度に全ての細胞が取り替えられるのではなく、毎日古い細胞が新しい細胞に入れ替わり、3年弱で生まれ変わります。その為血管のケアを始めると、目に見えない効果がその日から出てくるようです。
血圧などの測定値に反映されるには多少時間がかかるとしても血管の中では、確実に良い変化が起こっているとの事です。

血管は、若返りが可能な器官です。疲れて老化しかけた血管もセルフケアで強くよみがえらせることができ、それによって怖い血管病を防ぐことができるのです。その生まれ変わりのカギを握るのが内皮細胞です。

血管壁の最も内側に位置する内皮細胞は、血管内を流れる血液に常に接しているため血液と血管壁の仲介者のような役割を持ち、血管を守り強くするよう働いています。

内皮細胞の主な役割はバリア機能活性化機能の二つに分かれますバリア機能は血液中に存在する成分が血管壁内に侵入するのを防いでくれます。
活性化機能は内皮細胞自身が作り出す物質に関係しています。内皮細胞は防壁となって血管壁を守るだけではなく、血管を健康に保つための物質を自ら生み出し活用しているようです。内皮細胞から出される物質は血管壁に良い刺激を与え血管壁を広げるよう働くようです。すると、血圧が下がり、血管の負担が減ってくるとの事です。
また内皮細胞が作る物質が血液中に放出されると、血液が固まりにくくなり、血の塊(血栓)ができにくくなるとの事です。このことから、内皮細胞がイキイキと元気にしていると、血管自体も若さと強さを保つことができるのです。逆に内皮細胞が疲れていると、本来の役割を果たせなくなり、血管の老化が早まり、40 代や50 代でも血管病に襲われてしまうのです。
つまり内皮細胞をどうケアするかが、血管ケアの最大のカギであり健康を保つうえで欠かせないことなのです。

 

内皮細胞を元気にするポイント!!

内皮細胞を元気にするポイントは幾つかあります。

  1. 活性酸素の攻撃を受けたLDLコレステロールと血糖は、それぞれ、酸化LDLコレステロールとAGE(週末糖化産物)という悪玉度を増した物質に変わり、内皮細胞をひどく痛めつけます。体内の活性酸素を増やす要因として、タバコ、ストレス、食品添加物、電磁波、お酒の飲み過ぎなどです。逆に活性酸素を減らしたりする要因としては、抗酸化成分の多い食品の摂取、禁煙、ストレスの軽減などです。
  2. 血圧が高い状態は血管に負担をかけ内皮細胞を傷つけます。血圧が高くなる原因として塩分のとり過ぎと肥満です。減塩をして、肥満を解消・予防する食生活の改善で、内皮細胞が活力を取り戻し、血管を拡張させて血圧を下げたり、血栓を防ぐ機能を取り戻すことができるようです。
  3. 血管内を血液がスムーズに流れていると、内皮細胞に良い刺激がかかり内皮細胞は内皮細胞が作る物質をたくさん発生し、血管を拡張したり、血の塊(血栓)ができるのを防いでくれます。血液がスムーズに流れるためには、血液をドロドロにしない食習慣と、運動によって血流を良くすることが大切です。ドロドロ血液の原因は脂質と糖質の摂り過ぎ、いわゆる食べ過ぎと栄養バランスの偏りです。このような悪い食習慣を改善し、適度な運動を行うことで、血流の流れが理想的な状態へと変わり内皮細胞も元気になってきます。

この様に血管のセルフケアを行うかどうかで、40代、さらに50代以降の人生の健康や幸福な生活に大きくかかわってくるのです。