どうする!?忍びよる血管病

血管を大切にすることで健康的な生活を送る事ができます

昨日まで元気だった人が,あるいはさっきまで元気だった人が突然,脳卒中や心筋梗塞に襲われ入院したという事を聞いた事はないでしょうか。

なぜ脳卒中や心筋梗塞は起きるのでしょうか。それは血管が硬くもろくなってしまう「血管の老化」によって引き起こされるものです。血管の老化年齢に応じて進みますが,食べ過ぎや偏食,喫煙,深酒,運動不足など悪い生活習慣を続けていると老化の加速度が増し,血管の一部が破裂したり,つまったりして,脳卒中や心筋梗塞が起きてしまうようです。更に血管の老化がかなり進んでいたとしても,自覚症状がほとんど出ないのがこの血管病の恐ろしいところです。ある日突然,大病に襲われ今までの生活や人生が根底から覆されることもあるからです。

血管病が増えている理由

平穏な暮らしを突然襲う,脳卒中や心筋梗塞などの大きな病気は血管の老化,つまり血管が硬くなりもろくなってしまうことから起こる血管病です。「人の身体は血管と共に老いる」と言われているようです。正しい生活習慣で健康的に生活をしていれば,血管も年齢に応じてゆっくり老化していくようです。この様に自然な老化の場合血管病が起こりやすくなるのは,70代後半から80代くらいにかけてだそうです。しかし40 代や50 代で血管病に襲われる人が増えているのはなぜでしょうか。

大きな原因はグルメな料理(霜降りのお肉等々)や美味しいお酒、どこにでも簡単に移動できる車や交通機関は、社会の豊かさの一つでもあるでしょう。しかしグルメな料理やお酒はバランスのかけたカロリーの多すぎる食生活へとつながり,便利の良すぎる交通機関は,歩く機会を減少させ運動不足をもたらしています。様々な事情から疲労がたまりストレスにより血管の老化のスピードを速めているようです。

ここで血管の老化が招く主な血管病について見ておきましょう。
脳卒中(脳出血と脳梗塞に分かれる。) ②脳出血脳梗塞腎硬化症腎不全 閉塞性動脈硬化症眼底出血大動脈瘤破裂狭心症心筋梗塞 等の病気です。
血管病の主な要因ともいえる高血圧や糖尿病は,自覚症状がほとんどないためサイレントキラー「静かな殺し屋」とも呼ばれているようです。そのまま放置していると自覚症状のないまま死に直結する段階まで進んでいるケースも多いようです。

例えば,脳卒中の発作のサインである「片側の顔が動かない」「視野の片側が見えない」等の症状はすでに病気が起こっている事を示すものですので,早急に(救急車)で病院へ行き処置を受けなければ命にかかわったり,重い後遺症が残ったりします。私たちには体中に張り巡らされている血管の状態を直接見ることはできませんし,病状が進んでいたとしてもそれを知らせるシグナルを発してくれません。その為,昨日まで或いはさっきまで元気に働いていた人が突然倒れ亡くなってしまうという悲劇が起こるのです。
そして脳卒中と狭心症,心筋梗塞は脳や心臓そのものに異常があって起こる病気ではなく,各臓器を通る血管に原因があって起こる病気だという事を覚えておいてください。

動脈硬化という言葉を耳にしたことがあると思いますが言葉通り血管病は主に動脈で起こります。1日に約10万回動く心臓のリズムに合わせて,動脈が収縮と拡張を繰り返すうちに,徐々に弾力を失い,硬くもろくなってしまいます。例えば⾧年使って老朽化したゴムホースは弾力性をなくし硬くボロボロになりちょっとした傷から裂けて破れそうになっている状態に似ています。この様に動脈も加齢とともに徐々に老化していきます。
そこへ食べ過ぎや偏食,過度の飲酒,運動不足,喫煙,ストレス等の悪い生活習慣が加わると老化の速度はいっきに早まりますので,ぜひ生活習慣を今一度見直して頂きたいと思います。
血管壁の内皮細胞が実は血管をケアする上で大切なカギとなります。

血管の構造や働きを知ろう!!

皆さんは血管の構造や働きについてどれほどご存知でしょうか。
簡単に言うと血管は血液を全身に巡らせる管です。動脈、静脈、毛細血管に分かれ、動脈は心臓から血液を送り出す血管、静脈は体の各部分から血液を心臓に運ぶ血管、毛細血管は動脈と静脈をつなぐ細い血管です。

人間の身体は60兆もの細胞で構成されており、それぞれが一つの生命体のために大切な活動をしています。どの細胞の働きも健康には欠かせません。また様々な臓器や器官の中でも特に重要なもの、健康維持のために片時も欠かせない役割を果たしているものがあります。

例えば心臓は突然拍動が止まってしまうと数秒で意識がなくなり数分で死亡します。脳細胞が活動をやめてしまえばやがて死に向かうしかありません。肝臓や腎臓もそれぞれの働きがストップしてしまうならすぐに生命の危機に陥るほどいつも重要な働きをしています。

そしてこの膨大な数の細胞や臓器や器官の活動を物質的に支えているのが血液であり、血液を全身に送り届けている血管です。血管は血液を体の隅々まで送り届けてくれる大切な管なのです。血管は毛細血管まで含めると直線距離にして10万㎞にもなるようです。地球2周分にもなる⾧さが一人の体内に張り巡らされておりエネルギー、酸素、様々な栄養、免疫細胞などが含まれている血液こそ生命そのものなのです。片時も途切れさせることなく全身に送っている血管が健康に働いていることが健康の証なのです。逆に血管の老化は生命の老化そのものと言えるでしょう。血管が若々しくしっかりその役割を果たしていることが健康寿命には欠かせない条件なのです。

『血管の老化を止める』にはどうすればいいでしょうか??次回の記事でご説明します!!

血管の若返りで強くなる