ミミズというとどのようなイメージをお持ちでしょうか。見た目などから気持ちが悪いと思う人が多いのではないでしょうか。そのようなミミズですが実は人間をはじめとして、多くの植物にとってなくてはならない存在なのです。
ミミズは現在日本だけでも100種~300種以上いると言われており、世界中では3200~7000種以上いると言われています。大きさも様々です。研究者によってこれほど大きな違いが出るほどミミズについては分かっていないところが多いようです。
ミミズが凄いのはなぜ??
では、このミミズがなぜ素晴らしくすごい生物なのかに焦点を当てていきたいと思います。
地中に大量に生息しているミミズですが、どちらが前でどちらが後ろなのか分かりにくいですね。しかし口と肛門がちゃんとあります。白く盛り上がった環帯と呼ばれるものがある方が口だそうです。
ミミズは落ち葉など有機物を食べます。その時に大量の微生物を飲み込むようです。その微生物がミミズから排泄されると窒素、リン、カリウム、ケイ素、カルシウムなどの栄養豊富な腐植土のもとになります。カルシウム分はミミズが飲み込む前の800倍も多くなると言われています。腐植土は保水性、通気性に優れ、作物の栽培に適しています。ミミズの糞は天然の土壌改良剤としての大きな役割も果たしているのです。このことからミミズの多くいる土といない土では、作物の成⾧や栄養面でも大きな差が出てくるのです。
また自然の恩恵として、人間の健康に大きく寄与することになるのです。
ところが高度成⾧期のころ、農業は化学肥料と農薬による人工的な栽培法へと偏っていき、結果として苗の病気は減り、収穫が早まり、収穫量も増えましたが、その一方で畑にはミミズがいなくなり、土壌の最適な菌のバランスが失われてしまうことになり、野菜の栄養価は格段に低下し、野菜の健康度は低下してしまいました。
高度成⾧期以前の野菜と比べると、新鮮な野菜に含まれている独特な香りはなくなり、味も淡白になってしまいました。にんじんとピーマンというと子供にはほとんど食べられない程クセのある野菜でしたが、今ではほとんどの子供が食べられます。
野菜や果物には抗酸化作用のあるポリフェノールのような、ファイトケミカルと呼ばれる、人間の健康維持の為に有効な物質がたくさん含まれているもので、苦かったり、独特の香りや、濃い色だったりします。光合成をするときに酸化しないようにする為、害虫を寄せ付けない為に、植物はファイトケミカルを大事な種や実に蓄えるようです。しかし、それは健康な野菜や果物でなければ十分に蓄えることはできません。
化学薬品によって人工的な環境で、窒素の栄養を与えられて無理やり育てられた野菜は決して健康的ではなく、人間の健康に有用なファイトケミカルの量も少なくなっています。それが現代の野菜です。
ミミズがたくさんいる環境の土壌で作られる野菜だからこそ、野菜も大自然の健康を獲得でき、人間もその野菜から健康に良い成分や物質を摂取することができるのです。
多くの人々が多くの病気を抱え生活する現代、更にはたくさんの自然を失っている現代において、自然に戻れば、人間も自然に健康になるようにできている。そのことをミミズは教えてくれているのかもしれませんね。
ミミズには冒頭で述べたようにたくさんの種類がありますが、1980年代に日本で発見された赤ミミズ酵素は欧米に生息しているルンブルクス・ルベルスという体⾧5~10㎝程の赤いミミズです。中国で漢方薬の原料となっている地竜とは異なるミミズです。
ミミズの効能について
ルンブルクス・ルベルスはニュージーランドやアフリカ中部の原住民には古くから食用として貴重なたんぱく源となっていました。アメリカや韓国では世界で唯一、血行促進のための薬として認可されていました。見た目とは違いミミズの栄養や健康効果については世界的に評価されているようです。赤ミミズ酵素は血栓の全体を形成しているフィブリンというたんぱく質を溶かしますが、生体のたんぱく質を溶かすことはありません。ですから内出血を起こしてしまうということはありません。
漢方薬の地竜がミミズの内臓を取り除いた皮だけを使うのに対して、(ルンブルクス・ルベルス)赤ミミズ酵素は内臓を使う点でも異なっています。
このルンブルクス・ルベルス(赤ミミズ酵素)は血栓のフィブリンというたんぱく質を溶かしてくれるという大きな役割も果たしてくれているのです。
今度ミミズを見つけたらじっくり観察してみてください。そして自然の大切を実感していただければと思います。