カルシウムとは
カルシウムとは、元素周期表の20番目の物質で大理石、石膏、セメントの主な成分で私たちの身の回りにたくさん見られます。
実はカルシウムは私たちの体に一番多く含まれるミネラルで、骨や歯を形成しています。
またこのカルシウムは成人の体内に約1kg含まれており、そのほとんどがリンと結合したリン酸カルシウムとして、骨および歯のエナメル質に含まれています。
そして、その中の一部はカルシウムイオンとして血液や筋肉、神経内にあり、血液の凝固を促して出血を予防するほか、心筋の収縮作用を増し、筋肉の興奮性を抑える働きもあります。
日本人はカルシウム不足?
「日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人1人1日当たりの推奨量を、男性で700mgから800mg、女性で650mgと設定しています。しかし、日本人はカルシウムをこの中の70%ほどしか摂ることができていません。これは、このデータをとった年だけでなく、国民栄養調査が始まった昭和22年からずっと変わりません。
ですから生まれた時からずっと日本人はカルシウム不足の環境です。
さらに最近のデータによると、子供の骨折は20年前と比べて1.4倍に増えています。しかもその原因が転んだ拍子に足首を骨折したり、跳び箱で両手首を骨折したりとちょっとしたことが原因です。
子どものカルシウム不足の原因
なぜ子供たちの骨が弱くなっているのでしょうか?
1つは、日常の運動不足が原因です。
骨を強くするためには適度な運動をすることで骨に刺激を与えることが大切なのですが、ゲームなどの室内遊び、塾、習い事によって体を動かすことが少なくなっているので弱くなっていきます。
2つ目は、スナック菓子やジュースの取りすぎです
スナック菓子やジュースにはリンという物質がたくさん入っています。リンはカルシウムと結合して排泄されてしまうので骨のカルシウムが少なくなり弱くなってしまいます。
人生で最も骨量が多いのが20歳でそれ以降はだんだん減っていきますので、この子供の時にたくさん外で遊んでジュースとお菓子の取りすぎに気をつけて骨貯金を行っていきましょう。
カルシウム不足の症状・対策
また年をとると、カルシウム不足が原因で圧迫骨折が起こるかもしれません。骨粗しょう症により、骨の強度が低下して脆くなる椎体の骨折です。1回圧迫骨折が起こると1年以内の圧迫骨折発生率は起こしたことのない人に比べて2.6倍にもなってしまいます。
死亡しなくても背中が曲がる姿勢になってしまうので、内臓が圧迫されて、呼吸機能の低下や便秘、吐き気・食欲不振といった症状が出てきます。
- 背中や腰が曲がった
- 身長が縮んだ
- 寝返りや立ち上がるときに背中や腰が痛い
- 動作がぎこちない
と言った症状が出てきたら圧迫骨折を疑ってください。
骨量が低下していくと、顔の見た目も老けて見えてしまいます。骨量が減ると全体的にこじんまりしたシルエットになりますが、頭蓋骨も同様になります。ここの骨量が減ってしまうと、それを覆っている顔の皮膚がたるんだり、シワになってしまいます。
いわば、風船に書いた顔が、空気が抜けるとシワシワになって崩れていくのと同じことが起こります。
ですから、カルシウムをとって、健康でしっかりした骨を作ることが必要です。そのために運動・日光浴・ビタミンDの摂取を心がけることが必要です。
次回の記事内容
カルシウムには、善玉カルシウムと悪玉カルシウムがあります。いわばとって有益なものと悪いものがあります。そのことについて次回書いていきます。お楽しみにしてください。
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